「刑の重さ 変わる『常識』」「前科なし・生い立ち不遇→軽くならず」。2010年5月29日(土)朝日新聞夕刊の記事の見出しです。
記事は、これまで法律家の常識だった主張が必ずしも判決理由に反映されなくなったとし、その例として、これまで被告人に有利な量刑理由であった「被告人は若くて前科がない」という事実が、裁判員裁判では同様には受け取られないケースがあることを挙げています。
この結果は,弁護人の法廷弁護技術の問題だけではなく,その根底にある弁護戦略にも問題があることを示しているのではないでしょうか。
裁判員裁判の弁護活動においては、従来の裁判からの変化を踏まえ、弁護人の主張をどのように組み立て、どのように伝えるのかをよく考えて臨む必要があります。
刑事弁護フォーラム第13回例会では、「裁判員裁判における弁護戦略の重要性と構築方法」をテーマに開催いたします。
第1部では、裁判員裁判の弁護活動を経験した弁護士による事例報告を行います。報告者には、実際に行った冒頭陳述なども実演いただく予定です。
そして、これまで数多くの裁判員裁判を傍聴してきた吉良敦岐氏をお迎えし、放送関係者とは別の視点から、忌憚のないご意見を交えてご講演いただきます。
第2部では、裁判員裁判における弁護戦略の構築をテーマに、裁判員裁判における弁護活動について研究・提言を続けている弁護士より、裁判員裁判における弁護活動について基礎的な講義を行います。
裁判員裁判対象事件の弁護を担当されている方も、裁判員裁判にご関心がある方も、どうぞふるってご参加ください。
参考文献
日弁連編『裁判員裁判における弁護活動-その思想と戦略』(日本評論社)第5章,第7章
「情状事件の最終弁論」自由と正義2009年8月号
「情状事件の立証計画」自由と正義2009年12月号
※参加申込み及びお問い合わせ先
白井徹(北千住パブリック法律事務所)
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