第1回例会は、2005年11月8日に行われました。
高野隆会員(第二東京弁護士会)から「権利のための闘争」とのテーマで基調講演が行われ、続いて同様のテーマで高野弁護士、前田代表世話人、坂根真也弁護士(東京弁護士会)をパネラーとしてパネルディスカッションを行い、刑事弁護の場における様々な実践による改革を論じました。
基調講演では、高野弁護士が、刑事弁護人は、個々の事件を通じて、制度や法律そのものに疑問を投げかける姿勢が必要なのではないか、これまでの刑事弁護は所与の前提の中で動いていたのではないか、との問題提起をし、議論致しました。
その例として、例えば、被疑者段階で保釈を請求してみる、というものがありました。法律上被疑者段階で保釈は認められていませんから、その発想すら出てこないのが通常です。
無論、請求しても却下されるのが落ちです(受理すらされないかもしれません)。しかしながら、起訴前に保釈が認められる必要性・許容性のある事案は山ほどあります。人質司法の打破にもつながります。韓国では起訴前保釈制度が実際にあります。
もし仮に全国の弁護士が起訴前保釈を請求し、人質司法の問題を提起したら、いずれ法律の改正につながるかもしれない。高野会員のそのような熱い想いに、みな、刑事弁護とはどうあるべきかについて真剣に考える機会を得ました。
その後のパネルディスカッションでは、①SBM運動(被告人を弁護人席に座らせる運動)、②接見禁止に対する準抗告、③調書に対する署名・押印拒否、④取調の可視化などの論点で、討論を行いました。
第1回例会は約30名の会員の他、ロースクールに通う学生も参加し、大変有意義な会となりました。
(文責:事務局企画担当 高橋俊彦)