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2009年5月21日、いよいよ裁判員裁判が始まりました。市民が重大な刑事事件の裁判に判断者として加わります。また、同時に被疑者国選弁護は、法定刑が長期3年を超える罪にまで大幅に拡大し、従前よりも10倍近い事件が被疑者国選の対象となりました。刑事裁判の中身に世間の関心が集まります。被疑者国選を担える弁護人を適格かつ迅速に付けなければなりません。ますます、われわれ弁護士の「資格を有する弁護人」としての役割、被疑者・被告人の援助者としての質と態勢が問われることになるでしょう。
刑事弁護フォーラムは、2005年7月、全国各地の100余名の弁護士有志が集い、このような時代に備えるため、弁護人、とりわけ若手の優れた刑事弁護人を創出する目的で発足しました。刑事対応型事務所として東京と大阪とに設置された公設事務所の各所長が代表世話人と副代表世話人に就任したのも、そのためです。
刑事弁護フォーラムは、われわれ弁護士の毛自弁後技術を飛躍的に高めるためのネットワークです。法律や規則を隅々まで知り、刑事裁判の現状を適格に把握し、被疑者・被告人の権利・利益を擁護するための最善の弁護技術をあらゆる角度から検討します。そのための情報交換を徹底します。
刑事弁護フォーラムは、これまでメーリングリストを軸に実に多種多様な情報を交換しました。経験豊かな弁護士の尊い実践を若手の弁護士に継承するため、年3回の例会、毎月1回の若手ゼミを開催し、多くの若手弁護士が集まりました。刑事弁護フォーラムを通じて、弁護活動の実践と研修とを線として結びつけ、共有化しようとした試みは、われわれの予測以上に発展しているといってよいでしょう。
刑事弁護フォーラムに参加する弁護士は、すでに1200人を越えました。
これからも、各地の広汎でかつ多様な実践を共有しましょう。そして、「取調べの可視化」「人質司法の打破」など刑事司法の制度改革課題に取り組みつつ、現状の着実な変革をも志向して、刑事弁護実践の場で健闘しましょう。
刑事弁護フォーラムは、若き弁護士の方々が支え、活動する組織であり、現にそのように運営されています。
刑事弁護に関心のある方々の、特に若い弁護士の方の積極的な参加を期待します。
弁護士 前田 裕司 (まえだ ゆうじ)
前田法律事務所
1977年4月 | 弁護士登録、八王子市の法律事務所で主として多摩地域の市民事件、中小民間労働組合等の事件を担当。全国規模の労組弁護団にも所属して多数の労働事件に関与。労働組合等に対する刑事弾圧事件に多く関与。 |
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1989年9月 | 東京弁護士会から宮崎県弁護士会へ登録替えをし、宮崎市で多くの市民事件、刑事事件を担当、当地での当番弁護士制度の創設に尽力。 |
1998年4月 | 宮崎県弁護士会から再び東京弁護士会へ登録替 従前どおり市民事件・と多数の刑事事件を担い、日弁連の刑事関係の委員会に多数関与。 |
2004年4月 | 東京弁護士会が設置した都市型公設事務所北千住パブリック法律事務所 の所長に就任。 |
2007年4月から2年間 | 東京弁護士会刑事弁護委員会委員長に就任。 |
2009年4月 | 北千住パブリック法律事務所所長を退任、東京ディフェンダー法律事務所に移る。 |
2015年4月 | 宮崎はまゆう法律事務所に移る。 |
2022年2月 | 前田法律事務所に移る。 |